エゴの働きや思い込みの影響を知って、そこから自由になる
第二章に入って、私たちの日常に問題をつくり出す
「思い込み」や「エゴと左脳的知性の組み合わせ」について
その影響を大まかにではありますけれど、お話させていただいています。
今日はエゴの働きと思い込みの影響を知って
そこから自由になるというテーマで
私なりにお話をさせていただきたいと思いますので
よろしければお付き合いくださいね。
前回お話させていただきましたように
エゴはあくまで自分自身を守る防衛本能ですから
相手の立場に立って物事を考えたり、他者の気持ちを思いやること
周囲の状況を見極める判断力などは持ち得ません。
また、過去の経験からしか物事を測れないので狭い思考ですべてを捉えてしまい
新しいものを受け入れることができないのも大きな特徴です。
ですから、新しいものの見方、新しい経験、新たな叡智
そうしたことのすべてを拒絶してしまいます。
なぜなら、恐れから生まれた思考だからです。
騙されるのではないか、傷つけられるのではないか
危険にさらされるのではないかなど、すべて恐れに基づいて思考してしまうのです。
それが叡智であろうと、自分にとって大切な真理であろうと
何が正しいのかなど、そうした判断力、思考力はエゴには備わっていません。
現状を維持することに安心感を持つため、何かを受け入れることそのものを恐れます。
そのため、自分とは異なる考えを排除したり、理解できないものを敵と見なし
物事を歪めて受け取るという、エゴにとって都合のいい見方をしてしまいます。
そうして他者を裁き、批判し、攻撃し、争いや戦争を引き起こしてしまう
宗教戦争などは、まさにエゴの罠に陥った人間が、それに踊らされている状態です。
エゴは左脳的知性と結びつくと自分には理解できない次元の話に対しては
当然ながら拒絶反応を起こします。
相手が真に何を伝えようとしているのか、その真意を理解しようとはしないのです。
そうして人間としての進化成長の妨げとなってしまいます。
こうしたことは、私たち人間がエゴや間違った思い込みにとらわれたことにより
引き起こしてしまう悲劇と言わざるを得ません。
エゴから自由になるには、その働きを知って理解し
エゴが出てきた時にそれを自覚することがやはり大切になります。
何より重要なのはエゴとご自身が同化してしまわないことですから。
自分の中からエゴが出てきた時、注意してそれに気づくようにする。
「あぁ、今これはエゴに基づいた思考になっているな。
エゴではなく、左脳的知性でもなく、愛に基づいた知性で考えよう。」
そんなふうに自分の中で冷静に思考を分けて判断していけるといいですね。
そうして自身とエゴを切り離した捉え方、客観視できる思考を持てば
エゴと自分を同一視してしまうような罠に陥ることはないでしょう。
世界的に有名な心理カウンセラー、Lise Bourbeauさんはエゴについて
このように話しています。
『エゴは本来、私たちを守り、主人に仕える召使いのようなものです。
それがいつの間にか、自分自身が主人であるかのような錯覚を起こして
私たちの身体を乗っ取ります。
私たちは、召使いから主人の座を取り戻さなくてはなりません。』
彼女のワークの面白さは、まず自分の中のエゴに名前をつけます。
そしてエゴが出てくる度に、まるで小さな子供をあやすようにエゴに声をかけ
話しかけながらそれを静めていきます。
こうした方法もとても効果的だと思います。
いかがでしたでしょうか。
これをお読みになって、今どのように感じていらっしゃるでしょうか。
前の記事でもお伝えさせていただいた方法で
今ご自分が感じていらっしゃる感情が
「愛に基づいているか」「エゴに基づいているか」
判断されてみるといいかもしれませんね。
次回は「人間関係で不快な思いをした時、その原因と解消法」をテーマに
お話させていただきますね。